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2011/07/25インフォメーション

株式会社中藏

京都の景観を守り、永続させるためにも
地震に強いSE構法の採用は不可欠でした。

 京都の風情を感じさせる建物のひとつに京町家がある。観光客ならば趣きと感じる佇まいも、住むとなると問題点は多い。細長い敷地ゆえに壁が多く、室内は暗くなる。また冬は非常に寒い。そして最大の問題点が耐震性能の低さだろう。京都では100 年周期で大地震が発生しているとされているが、すでに100 年以上、大地震はないという。このことに焦燥感を募らせるのが取締役 古川亮太郎さんだ。
 「ほとんどが築50 ~150 年という古い物件ですから、いま大地震が起きたらひとたまりもありません。京町家を守り、街の景観を100 年後も存続させるためにも、いち早く堅牢な建物にする必要があります」

  京町家の一般的な敷地は幅5.4m、奥行き30 ~ 50mと細長い。この形状のためハウスメーカーは敬遠。また在来工法では壁が多くなり、たとえ建て替えても、暗いという問題点は解決しなかったのである。
 そこで古川さんはSE 構法を選択する。「広い空間を作ることができ、長い家でも奥まで光を届けることができますしね。そして高い耐震性能は、今後の京都にとって必要不可欠な要素と考えました」

 

 そうしてSE 構法の利点と京町家の文化、京都の美意識、そして同地で培われた伝統技術が融合した『現代京町家』というコンセプトを打ち出したのである。

「京町家とは構造の総称ではなくて暮らし方だと考えています。時間をかけて快適な暮らしを模索し、京町家が出来上がりましたが、これは完成形ではありません。本来の京町家とは、生活に合わせられる柔軟性を持ち、時代が求める快適とともに変化するものだと思っています」
 だからこそ現代京町家が発想できたのだろう。コンセプトブックでは敷地に応じて3 つの快適プランを提案。どれも前庭や中庭を設け、自然が感じられる設計が特徴だ。
 「明るさや冬の暖かさ、安全・安心であることは最新技術が担います。また継承されてきた自然と共生する知恵はそのまま生かす。京都には伝統的な意匠や造作ができる職人も多いので、昔ながらの設えを望む人にも対応できる。これらの有利点が合致することで、伝統的な雰囲気と現代的な快適が合致した京町家が創出できるのです」

 

 

 

快適という言葉ではなく、数値で実証された
現代生活にふさわしい快適を備えた京町家です。

 今年1月、現代京町家コンセプトが形になった一棟目の完成見学会が行われた。京都市内に折り込み広告を4 万部配布、そして京町家に絞ってポスティングを行った結果、4 日間で来場者は88 組。うち2 組が契約という高スタートを切った。これも正しく顧客のニーズを把握し、コンセプトに盛り込まれていることの表れだろう。
 「来場者に冷やかし客はいませんでしたね。京町家での暮らしを改善したいと真剣に考え、しかも質の高いお客様ばかり。ただ“こんなこともできるんだ”と随所で感心してくださるのは嬉しいんですが、その言葉で、みなさんが“ 京町家”という固定概念に縛られているのがわかりました。早くそれを払拭したいですね」と古川さん。

 

 さてこの3月からSさん一家が暮らし始めている。早速、始めたのが中庭とダイニングルームの温度と湿度のデータ収集だ。 「現代京町家では全物件で温熱計算を実施する予定です。新規顧客には“ 快適” を可視化できれば理解も深まる。口で“ 快適”を説明するのではなく、理論的に提示したいんです。京町家のエネルギーロスは膨大ですから、どれほど差になるか楽しみ」

 

 京都の建築文化を大切に受け継ごうとする一方で、京都市内は土地が高騰し、維持しきれなくなり、また購入できる人もおらず、壊されていく京町家も多いそうだ。
 「虫食いのように駐車場が増えています。これを食い止めて、街の景観を残すのがわれわれ世代の責務。自分の町が壊れていくのも見たくない。そのためには多くの人に暮らしやすい新しい京町家を知ってもらう必要がある。『京町家にガマンはつきもの』とよく言われますが、現代京町家なら、ガマンは必要ありません。間もなく着工する2 棟目、3 棟目でそれを証明したいですね」
 

 

株式会社中藏

京都府京都市中京区西ノ京池ノ内町24-12
Tel.025-229-2302
URL http://www.th-nakakura.co.jp/  
E-mail info@th-nakakura.co.jp

 

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