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2009/11/27インフォメーション

株式会社日伸建設 うちでしかできない住宅建築を目指して重量木骨の家に特化

重量木骨+メンテナンスパトロールで他社と差別化

 

 

鈴木勉代表取締役が建設会社から独立し、日伸建設を創業したのは昭和58年7月のこと。

 

「この地域の建設業界は(当時は特に)公共工事依存度が高く、弊社でもその下請け工事が大半でした。そんな中で元請志向と共に元々興味があった住宅建築に力を入れようと考えるうち出会った、あるフランチャイズに加盟。本格的に住宅を手掛けるようになり、資材物流や加盟する全国の住宅工務店などの話や悩みなどを聞いて大変勉強にはなりました。そこで、NCNのSE構法を知ったんです」(鈴木代表)

 

 

 住宅事業を本格化してゆきながら民間シフトし、公共工事への取り組みは止めたという。

 

 『今後の公共建築のあり方に疑問を感じ始めていたし、私どもの事業エリアでは、特定分野のエキスパートが少ないように感じていた。だからこそ、うちにしかできない住宅を提供したいという思いから、今はSE構法に専念しております』(鈴木代表)

 

 SE構法にこだわった理由は次のようなものだ。

まず、在来工法では、ほかの住宅会社とデザインや価格の面でしか差別化できない。
SE構法なら構造計算と理論に裏打ちされた安心できる構造体が提供できる。在来やフランチャイズのメーカーでは提供できなかった大開口部、高い天井、広い空間を実現できる。耐力壁が少なくて済むから、壁面で細かく仕切る必要がなく、必然的にインテリアやデザイン面での自由度が高い。以上のようなSE構法の真骨頂は、他にはない差別化ができると確信。以降、地道に重量木骨の家に着手している。

 

 そしてここ2~3年、一般客の方から『重量木骨の家』という指名で問い合わせが増えているという。「重量木骨の家というブランドがようやく一般に認知されるようになってきたと思います。インターネットの普及で独自に住宅のことを調べるお客様が増えてきているのも実感です」と鈴木代表。

また、クチコミによる紹介も増えた。重量木骨の家を評価するだけでなく、引き渡し後の定期メンテナンスによる顧客との関係を絶やさない事も紹介につながっている。日伸建設では、独自の『メンテナンスパトロール』という定期メンテナンスを年6回行っている。

 

 

 

造で外断熱を積極的に採用できる長期優良住宅に

『メンテナンスパトロール』は建物のチェックはもちろん、社員・職人同士が自分の担当外の物件を見る事で、それぞれが仕事のモチベーションを高めることが最大の目的だと言う。

 

「下手な仕事をしたら施主に顔向けできません。再訪もできないでしょう。さらに、自分以外の職人の作業をお互いにチェックすることで、仕事に緊張感が生まれます。また、定期的に施主とのコミュニケーションを図ることで、関係を切らすことなく、またクレームを防ぐことにもつながります」(鈴木代表)

 

こうした作業を継続していくために『日伸建設安全協力会』という組織を設立。大工5組を含む、関連業者35社と連携している。こうして他社にできないことを目指してきた同社にとって、今後は長期優良住宅への取り組みが必須だ。

 

「今回3棟の申請が受理されました。

NCNが設立した支援室と、情報交換をしながら一緒に手続きが進められたので大変助かりました。今後、長期優良住宅がさらに一般に認知されたら、ストック型の住宅を目指してきたSE構法にもっと興味を持ってもらえる可能性は高くなると思います。

 

実際、最近のお客様の中には、住宅について興味が高く、工法や性能に詳しい方が増えており、構造見学会には自分の知識を、目で確かめるために来場される方が多くなられたようです。まさにお客様に試されており、お客様を超える回答をする事で信頼を得られるのではないでしょうか。ですから長期優良住宅のエキスパートにならなければというプレッシャーを強く感じています」(加藤晃一常務、小出宏富実企画・技術統括:談)

 

 

 

 すでに長期優良住宅2棟を着工したが、SE構法と外断熱を組み合わせたい同社としては、現在の長期優良の仕様基準は木造には弱点があるのではと疑問をもつ。

 

「コスト優先の内断熱による仕様では、躯体の温熱環境に疑問が残る。さらに本当の意味での外断熱工法が対応できない基準は早急に見直してほしい」と鈴木代表は熱心に訴えた。

 

 

まだ、始まったばかりの長期優良住宅だが、今後は施主の定期メンテナンスの義務化など未知の分野もある。これまでの実績を生かしながら、今後も積極的に取り組みたいと、意欲的な日伸建設だ。

 

 

長期優良住宅お施主様インタビュー

-生涯に渡り住み、その先も受け継ぐ家だからSE法で長期優良住宅を建築-

以前から、温かみのある木造の家を建てたいと希望していた安藤さん夫妻。

子供が走り回れるような頑丈で広々とした家を建てたいと、ハウスメーカーのモデルハウスの見学を始めたが、重量木骨の家のチラシに掲載されていた構造躯体の写真を見て、すぐに日伸建設に連絡をしたという。

 

「木の家そのものだと思いました。営業の方が説明したくれたSE構法は、強い構造体や壁で仕切らない広い造り、将来、部屋が可変できることが良かった。さらに長期優良住宅の補助事業の申請時期でもあり、ニュースなどで言葉は知っていたものの、説明を受けてぜひ申し込みたいと。生涯住むからには、よりいい家を建てたかったし、100万円の補助金も魅力でした」

 

3人の子育てに奮闘中であり、将来はその子供たちに家を受け渡すことを考えると、長期優良住宅は賢明な選択だと、安藤さん夫妻は完成を楽しみにしている。

 

 

 

—取材物件こぼれ話し—

岐阜県恵那市にある「日伸建設」を訪れました。

正面玄関を入ってすぐに、部屋全体が見渡せる間仕切りのない事務室が広がっています。玄関を隔てて位置する、来客用の応接もこれまた、広々とした2階までの吹き抜け。大開口の窓が天井部まで続きます。元々、鈴木代表が細かく仕切る部屋が好みでないとして、こうした開放的な社屋の造りになったそうです。

 

こうした設計は、電力や冷暖房には非効率と考えがちですが、室内は大変明るく、日中は最低限の照明で良い。また、冬場は陽ざしが温かく暖房が節約できる。夏場も空気がこもらず冷房に頼らなくて済むといったメリットもあるはずです。

 

 

そもそも、間仕切りのない広々とした設計は、今回、NetworkSE VOL.89にも書いたように、社員の言動が社員同士、見渡せるということでも効果があるのですが、根本的に広々とした造りは息苦しさがなく、居心地がいいというのが何よりです。この社屋は、同社がSE構法を導入する以前に建てたものだそうで、これを見れば、鈴木社長がSE構法に賛同した理由も頷けます。 

 

 

 

日伸建設が手がけた「だいにんぐぎゃらりー たいら亭」という飲食店も、VOL.89をご覧になれば一目瞭然ですが、大開口・大空間を実現した設計です。

なかでもオーナーのこだわりは、広いトイレ。

 

ご自身も客として、トイレのあり方で、飲食店の善し悪しを決めていたというオーナーは、バリアフリーと清潔をテーマに、広いトイレを要望していました。実際に、トイレ部分は3畳間ほどあります。車椅子の人が用を足したり、椅子を回転させるのに十分の空間であり、臭いがこもらず、清々しい雰囲気。ちょっとゆっくり休みたいなと思わせる居心地の良さがここにもありました。

 

 

ここ数年、狭小住宅がもてはやされ、小さな建坪でも、何とか間取りを確保したり、あるいは依然として間数にこだわり、部屋を小さく区切るお施主さんも少なくありません。

 

ですが、広い空間を確保した方が、案外と機能的かつ居心地がいい。この良さを、いかに御施主さんに改めていただくか。それが課題だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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