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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

【緊急】鉄骨造から木造への転換が資材高騰対策となる理由

  • 【緊急】鉄骨造から木造への転換が資材高騰対策となる理由 -

 地政学リスクの高まりによる需要や供給量等の変化に伴い、深刻な資材高騰が起きています。今後、資源不足がより深刻化し、コロナ禍で高騰していた建設資材は、さらなる値上げが懸念されます。

 資材高騰に関する攻防はしばらく続くと見られ、発注者、建築実務者ともに難しい判断を迫られます。

 こうした局面で注目されるのが木造化です。特に鉄骨造と比較すると工期や材料の納期が短いことからコストダウンが期待できますので、鉄骨造から木造への転換は資材高騰対策として現実的な手段となり得ます。

 このコラムでは、鉄骨造から木造への転換が資材高騰対策となる理由についてお伝えします。(本記事は2022年6月現在の情報で作成しています。状況の変化により内容も変動しますのであらかじめご了承ください)

 

<このコラムでわかること>

資源インフレ等による深刻な資材高騰の影響

コスト抑えることができる鉄骨造から木造への転換

工期短縮できる鉄骨造から木造への転換

助成金情報】令和4年JAS構造材個別実証支援事業

鉄骨造から木造への転換する際の課題:防耐火

鉄骨造から木造への転換する際の課題:構造設計

鉄骨造から木造への転換する際の課題:木造化への対応

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

資源インフレ等による深刻な資材高騰の影響

資源インフレ等による深刻な資材高騰の影響

原燃料や資機材の価格高騰とその影響、国内外の物流網に与える影響やサプライチェーン(供給網)の混乱が続いています。

建材や設備の値上げが相次ぐなか、地政学リスクの影響で資材価格がさらに高騰し、建設費の上昇につながる恐れが出てきています。

資材価格高騰を理由に、設備や建材を製造するメーカーなどから、価格を改定し値上げする動きが増えています。

資材価格高騰による影響がこれから更に現れてくると考えられ、これからの建設プロジェクトでは今まで以上にコストへの対応が必要な状況です。

生コンクリート価格も上昇傾向にあり、今後も価格上昇はさらに続く見込みです。セメントや生コンクリートは重量物のため、燃料価格高騰によって輸送コストもかさみやすいです。

価格高騰の背景にあるのは、資材の供給網の各段階で生じたコストアップです。

価格改定を発表するメーカーも増えています。

関連記事:【直撃】資材価格高騰局面での大規模木造におけるコストダウン対策

 

コストを抑えることができる鉄骨造から木造への転換

コストを抑えることができる鉄骨造から木造への転換

資材高騰局面の中、発注者や設計者の理解を得ながら、現実的に「建物を建てる」手段を構築することが求められています。

鉄骨造から木造への転換は資材高騰対策として現実的な手段となり得ます。

時代や社会の変化により建築物の木造化、木質化がより広がる中、資材価格高騰局面で大規模木造を実現するために課題となるのがコスト調整です。

関連記事:【解説】大規模木造のリアルなコストの考え方(前編)

関連記事:【解説】大規模木造のリアルなコストの考え方(後編)

資材価格高騰とは別に、鉄骨造やRC造に代わるものとして計画した木造建築物が、木造のメリットを活かした設計を行わず構造的に特注材を多用したりすると、割高になってしまうことも多発しています。

大規模木造を適正なコストで実現するためには、木造に関するコスト感覚を掴むことが重要です。年々、発注者のコスト意識も高まっておりますし、設計者が工事費を把握しながら設計を進めることが木造化の流れの中では特に求められます。

現実的な実務の進め方としては、設計段階での概算見積りです。建物の計画規模を決めた段階で早めに概算金額を把握することで、全体工事費のバランスを判断することが必要です。

関連記事:中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント

 

工期短縮できる鉄骨造から木造への転換

工期短縮できる鉄骨造から木造への転換

木材は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較すると工期や材料の納期が短いことから、低層や中層の施設建築において木造化は現実的な手段となり得ます。木造化することにより付加価値をつけることができれば、結果としてトータルの評価が高まります。

例えば工期の短さです。木造は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して、工期の短縮が図れることが利点です。短工期で済めば、それはコスト減につながり、経済性は上がります。

木造の場合、プレカットされた規格部材を現場で組み上げる施工は、スムーズな作業・進行に貢献し、短期間での完成を実現できます。

大規模木造では、基礎は鉄筋コンクリートとなりますが基礎断面のボリュームが他工法と比較して小さくなることから、工期は短縮されます。

また、工期の短縮は人件費など経費を安くでき、コスト削減を後押しします。

関連記事:脱炭素社会に木造化は必須!大規模木造(SE構法)と鉄骨造の比較まとめ

世界的な建築需要の高まりによって木材価格も常に変動しており、動向には注意していただく必要があります。

関連記事:【激震】ウッドショック!木材価格高騰の理由

現在のウッドショックが生じてから、国産材の調達に走るものの、なかなか増産されずに国産材も値上がりしています。一方で、国内の森林は資源的には充実しており、山には利用可能な大きさに育った木がたくさんあります。

関連記事:ウッドショックが顕在化させた木材供給リスクと国産材の課題

 

【助成金情報】令和4年JAS構造材個別実証支援事業

【助成金情報】令和4年JAS構造材個別実証支援事業

現状で資材高騰によるコストアップは不可避ですが、それを補う補助金、助成金制度があります。近年は発注者が設計側と協力して補助事業採択を目指すケースもあり、補助事業に採択されると銀行も融資しやすいなどのメリットもあるので、積極的に活用すべきです。

関連記事:【助成金情報】令和4年 JAS構造材個別実証支援事業

大規模木造で利用できる助成金として注目されているのが「JAS構造材個別実証支援事業」です。

JAS構造材個別実証支援事業とは、JAS構造材を活用する実証的な取り組みに対し、その木材の調達費の一部を助成する仕組みで2018年から開始されています。

※本年度の申し込みは締切となりました。

関連リンク:JASとは「日本農林規格」。JAS構造材の基礎知識

 

鉄骨造から木造への転換する際の課題:防耐火

鉄骨造から木造への転換する際の課題:防耐火

鉄骨造から木造への転換を検討する際に、必ず考えておかなければならないのが「防耐火」です。鉄骨やコンクリートに比べて燃えやすい木材(木は火に弱いということではない)という材料を使って、法規の基準を満たした火災に強い建築をつくることが求められます。

非住宅の場合は、規模や建築基準法、各種基準により、耐火建築物や準耐火建築物の仕様が求められることが多くなります。このため、防火・耐火のコストをできるだけ上げないように、建築計画を慎重に検討する必要があります。

関連記事:木造でも耐火建築物は可能!大規模木造における耐火建築物まとめ

関連記事:広がる木造準耐火の可能性!大規模木造における準耐火建築物まとめ

大規模木造は防火・耐火の要求の有無によりコストが大きく変わります。耐火建築物よりも準耐火建築物のほうが、建材や施工の費用を抑えることができ、大幅に建設コストを抑えることができます。

木造の耐火建築物では、木造の構造体に耐火被覆が必要となります。木造の耐火建築物を現実的に計画し、デザインとコストを両立させるには、「構造躯体の木(柱や梁)を見せること」にこだわらない設計が重要となります。

木造の準耐火建築物のコストと比較して、木造の耐火建築物とすることで最もコストアップとなるのが内壁、外壁、設備工事です。内壁・外壁では、石こうボードや断熱材の費用が増します。可能な場合は、準耐火建築物で計画できるとコスト面では有利になります。

木材の燃えにくい特徴を生かした、燃えしろ設計の技術による木造の準耐火建築物などもアイデアとなります。

関連記事:準耐火建築物であれば「燃え代設計」により木造の構造体を現しにできる

 

鉄骨造から木造への転換する際の課題:構造設計

鉄骨造から木造への転換する際の課題:構造設計

鉄骨造から木造への転換を検討する際に、鉄骨造で計画、設計している建築を木造で実現することから、大規模木造に対応できる構造設計が重要です。

大規模木造の構造設計の実務においては、建物の用途や規模に応じて工法(在来軸組工法、集成材構造、CLT工法など)を提案して、その構造設計はもちろんこと、生産設計(プレカットデータの作成)との調整役を担う必要があります。

大規模木造では多様な素材や接合部がありますので、適材適所の材料や構法を選択して、大規模木造の実現を構造設計を軸に支援することが求められます。

関連記事:SE構法による大開口、大空間、大スパン、木造耐火の事例まとめ

特に大スパン、大空間への対応が重要になります。

・流通材の組み合わせ

・大断面材の製作・加工

・トラス構造や張弦梁のバリエーション

等の架構のバリエーションがありますので、コスト・意匠面などを検証した上で決定することができます。

関連記事:耐震構法SE構法によるトラスで大空間を実現する

関連記事:耐震構法SE構法では張弦梁を採用して軽快な印象の大空間を実現できる

都市部の厳しい敷地条件の中で4階建てを計画する際に、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。

関連記事:【新潮流】非住宅で木造4階建てが増えている理由

 

鉄骨造から木造への転換する際の課題:木造化への対応

鉄骨造から木造への転換する際の課題:木造化への対応

発注者が建物をつくる目的を考えると、資材高騰の問題があるとはいえ、事業収益が下がるなら建物をつくる意味がないと判断するのは当然です。

鉄骨造から木造への転換を検討する際に、性能やコストメリット、工期短縮等のメリットに加えて、CO2排出量削減や炭素固定などにインセンティブがあり、企業価値が高まるなど目に見えるメリットを示すことで「木造化」が実現できます。

関連記事:脱炭素社会は木造化が鍵!建設会社が大規模木造に取り組むべき理由

木造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の構造より建設コストが安く抑えることができます。発注者もしくはテナント契約者の双方にコストメリットが働く可能性もあります。結果として、建設会社の評価が高まる結果になります。

関連記事:【核心】建設会社が大規模木造に取り組むメリット

資材高騰対策で大規模木造に切り替える際には、「企業イメージの向上」のための投資でもあると判断してもらえるように環境負荷軽減などへの貢献を明示できるようになれば、発注者側のコストの許容幅は変わってくるかもしれません。

関連記事:建設会社の資材高騰対策に木造は有効!その鍵はワンストップサービス

日本の大規模木造は、厳しい防耐火性能をクリアし、高い耐震性能を備えた、世界に誇れる技術でもあります。構造の複合化、材料の適切な組み合わせ、耐火の技術など、さまざまな工夫を多くの人々と共有しながら、日本の都市木造は本格的な普及の時代を迎えています。

関連記事:【Q&Aで理解】建設会社が大規模木造をビジネス化するポイント

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

鉄骨造から木造への転換を実現することには、木造化の価値や、木造での実現の可能性が技術的にも十分あることを理解していただくことから始まります。

木造の長所・短所をふまえ、要求性能とコストに見合った木造建築物の受注につなげていただければと考えております。

設計者、施工者には、木の材料特性を引き出し、流通する製材を活用して、都市部の建築の木造・木質化の実現が求められています。

 

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、木構造デザインの木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。