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木構造ガイドブック発刊記念「中大規模木造建築への取組み方のイロハ」セミナーレポート

  • 木構造ガイドブック発刊記念「中大規模木造建築への取組み方のイロハ」セミナーレポート -

大規模木造に関する書籍「木構造ガイドブック」が発刊されました。この発刊を記念して2021年7月12日にオンラインセミナーが開催されました。

第一部では、建築家で芝浦工業大学教授の原田真宏氏による講演「新しい木がつくる、新しい空間」が行われました。

第二部では、株式会社エヌ・シー・エヌの取締役であり、株式会社木構造デザインの代表取締役社長でもある福田浩史氏により「中大規模木造建築への取組み方のイロハ」についてお伝えしました。このコラムでは福田氏による講演内容のポイントをお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

エヌ・シー・エヌ木構造デザインの事業内容

木造が注目されている理由

どんな建築木造にすればいいのか

今、木造でできること。木造の可能性

・中大規模木造への取り組み方。材料、構造、防耐火等を同時に考える

・木構造のパートナー:NCNが提供するSE構法によるワンストップサービス

・中大規模木造に最適なSE構法の最新事例

ウッドショックの誤解!構造材価格上昇も建設費全体で見れば影響は限定的

中大規模木造の選択の幅を広げる木構造デザイン

・まとめ

 

エヌ・シー・エヌと木構造デザインの事業内容

エヌ・シー・エヌと木構造デザインの事業内容

株式会社エヌ・シー・エヌ(以下NCN)は、木造のシステムである「耐震構法SE構法」を提供をしている会社です。構造設計からプレカット加工、施工までをトータルで仕組み化している点が強みです。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。

構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

計画段階からご相談いただくことで、NCN、木構造デザインの木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に木造建築の計画を進めていただければと考えております。

 

木造が注目されている理由

 

木造が注目されている理由

近年、木造が注目されている3つの主なポイントは下記です。

1.SDGs「持続可能な森林の経営」

→森林経営に必要不可欠な建物木造化、木材を利用すると回る、植林→伐採→植林の健全なサイクル

関連記事:大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

 

2.主伐期を迎える「日本の森林」

→国土の68%が森林の日本、日本の森林資源の50%は利用に適した材料

関連記事:ウッドショックが顕在化させた木材供給リスクと国産材の課題

   

3.後押しする国の政策や各種緩和

・政策:2021年改正「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」等

関連記事:ウッドショックが起きても木造化は活発化!最新動向まとめ(2021年7月版)

 ・建築基準法等の変容:準耐火・耐火建築物の見直し等

関連記事:広がる木造準耐火の可能性!大規模木造における準耐火建築物まとめ

関連記事:木造でも耐火建築物は可能!大規模木造における耐火建築物まとめ

さまざまな観点で、木材活用が注目される時代となっています。

 

どんな建築を木造にすればいいのか

どんな建築を木造にすればいいのか

低層の非住宅分野は木造での提案が求められる時代を迎えています。

現在、低層の非住宅分野は鉄骨造の割合が多いですが、規制緩和や技術力、コストパフォーマンスの向上等の理由により、より多くの建築が木造化できるようになっています。

どのような用途に木造建築が求められているかについての調査結果どのような用途に木造建築が求められているかについての調査結果もあります。

期待の声が大きいのは、学校や保育施設などの子供が利用する「教育・保育施設」、「医療・福祉施設等」への木材利用の期待が高いようです。

上記以外にも幅広い用途の建物で木材利用が望まれています。特に相談が多いのは、店舗や事務所、倉庫などの用途です。

関連記事:店舗、事務所、倉庫には鉄骨造より木造が「安い、早い、うまい」理由

木造建築の区分

木造建築の区分については、延床面積の規模により下記の3つに分けられることが多いです。

・500㎡以下      「小規模木造」

・500㎡超 3,000㎡以下 「中規模木造」

・3,000㎡以上     「大規模木造」「中高層建築物」

 

■ポイント1:500㎡以上は構造計算が必要になる

中大規模木造の実務で重要となるのは、建築の構造の安全性を計る「構造計算」です。延べ面積が500㎡以上の木造建築には、鉄筋コンクリート造・鉄骨造と同様に「構造計算」を行い、すべての項目で基準値以上の安全性の検証が求められています。

関連記事:中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計

 

■ポイント2:3,000㎡以上は木造としては高度な耐火要件が求められる

木造で耐火建築物は可能ですが、求められる性能が多くあり、慎重に検討する必要があります。

関連記事:木造でも耐火建築物は可能!大規模木造における耐火建築物まとめ

実際に需要が多い規模は「中規模木造」(500㎡超 3,000㎡以下)の建築物ですので、まずは、低層非住宅用途の中規模建築で木造化を推進、取組んでみてはいかがでしょうか。

 

今、木造でできること。木造の可能性

今、木造でできること。木造の可能性

中大規模木造の普及の鍵になっているのが、技術面の進化です。

関連記事:SE構法による大開口、大空間、大スパン、木造耐火の事例まとめ

特に大スパン、大空間の実現が容易になりました。

・流通材の組み合わせ

・大断面材の製作・加工

・トラス構造や張弦梁のバリエーション

等の架構のバリエーションが増えたことで、コスト・意匠面での見せ方等の選択肢が生まれています。

関連記事:耐震構法SE構法によるトラスで大空間を実現する

関連記事:耐震構法SE構法では張弦梁を採用して軽快な印象の大空間を実現できる

耐火構造(準耐火構造)の選択肢が増えた

中大規模木造の実務的な課題である、耐火構造(準耐火構造)の選択肢が増えたことも木造化を推進する上では大きなポイントになっています。

関連記事:木造の準耐火建築物の可能性が広がる!改正建築基準法の解説

耐火構造の告示化や1・2・3時間耐火構造技術の発展等、中大規模木造に必要不可欠な技術が出そろい、防火地域での建築や、中高層建築といった建物への柔軟な対応が可能となっています。

■都市部の狭小敷地における木造4階建の「事務所ビル」の事例はこちらです。

関連記事:木造4階建てのSE構法の事務所ビルの事例紹介「ヤマサ製菓ビルハピア豊橋」

■耐火建築物が求められる木造2階建の「認定こども園」の事例はこちらです。

関連記事:SE構法、木造耐火の認定こども園の事例紹介「七里ふたばこども園」

構造設計やプレカット加工の技術力向上

構造設計やプレカット加工の技術力向上等の理由により、複雑な形状を実現している事例も増えており、中大規模木造においても設計の自由度が格段に高まっています。

■多雪地域における木造の大空間と曲線が特徴的な「企業内保育所」の事例はこちらです。

関連記事:SE構法の企業内保育所の事例紹介「元気ひろば保育園」

■U字型の平面形状、燃えしろ設計等が特徴的な「認定こども園」の事例はこちらです。

関連記事:SE構法の認定こども園の事例紹介「ゆうあいこども園」

 

中大規模木造への取り組み方。材料、構造、防耐火等を同時に考える

これから中大規模木造に取り組む実務者の方にとって、実現するためのポイントは「材料、構造、防耐火等の要件を同時に考える」ことです。

木造はよくわからないことが多いかもしれませんが、耐火や材料、加工、設計等の要件をまずは整理して、各要件のバランスを考え最適解を見つけていくことが重要です。

構造材といってもコスト、材種、樹種、強度、制作可能サイズ等様々あるため、それぞれの特徴を知ることで適材適所な活用が可能

まず材料を理解する必要があります。構造材といってもコスト、材種、樹種、強度、制作可能サイズ等様々あるため、それぞれの特徴を知ることで適材適所な活用が可能となります

関連記事:中大規模木造の構造材の特性やメリット・デメリット

中大規模木造建築に対応したプレカット工場はあまり多くはないのが実情

次にプレカットについての知識です。中大規模木造建築に対応したプレカット工場はあまり多くはないのが実情です。

注意点としては、住宅で使用しないような断面、接合形状が登場するため、対応ができないことがあります。中大規模木造の構造を理解しないと、加工データの作成すらできないケースもあります。特殊な樹種がある場合は調達ができないこともあります。

上記のようなことを防ぐために、プレカット会社、工場の選定はとても重要です。

関連記事:「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」イベントレポート

木造の構造計算に対応できる構造設計者は全国的にも少ない

長らく中大規模木造が作られない時代もあり、木造の構造計算に対応できる構造設計者は全国的にも少ないことが大きな課題の一つです。

対策としては、木造の構造計算サービスを提供している会社を利用することです。独自のノウハウがあるため、設計から調達・加工までトータルでコーディネートできる会社も存在します。

関連記事:木構造デザインが大規模木造で設計事務所や建設会社の役に立てる理由

防耐火要件

次に検討すべき防耐火要件を把握することです。主に下記の3つの要件を同時に検討することが求められます。

「耐火性能」

→【耐火構造】【準耐火構造】【その他建築物】のどれに該当するのか?

「防火区画・防火壁」

→規定に基づいて空間の分割を考える。

「内装制限」

→特殊建築物や大規模木造建築を対象に、階数や床面積に応じて制限がかかる。

関連記事:大規模木造で知っておくべき建築基準法のポイント

 

木構造のパートナー:NCNが提供するSE構法によるワンストップサービス

木構造のパートナー:NCNが提供するSE構法によるワンストップサービス

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい大空間、大開口などを実現することができます。SE構法であれば、施設建築で求められるスパンの大きい空間にも対応できますし、架構をシンプルにすることが可能です。

SE構法は、許容応力度計算をベースとした構造設計を行なっております。意匠のデザインに合わせて構造計画を決定しやすいのがSE構法です。

意匠のデザインに合わせて構造計画を決定しやすいのがSE構法SE構法は、独自のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。SE構法は表面にネジ切り加工を施した通常のボルトの約2倍の強さを持つSボルトを木材にねじ込み、高強度のSE金物との組み合わせにより、耐震性の高いラーメン構造を実現しています。

関連記事:耐震構法SE構法が「強くて、安い」のは構造フレームと耐力壁にワケがある

SE構法では、主要な柱の直下に柱脚金物を配し、柱と基礎とを堅牢に固定

SE構法では、主要な柱の直下に柱脚金物を配し、柱と基礎とを堅牢に固定しています。柱脚金物は高強度なアンカーボルトにより、基礎に直接取り付けられるので、地震などの横からの力に強く、建物を支えます。

関連記事:耐震構法SE構法の柱脚や接合部が強い理由はSE金物とSボルト

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」、そして施工というプロセスを合理化することで、ワンストップサービスを実現

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」、そして施工というプロセスを合理化することで、ワンストップサービスを実現した木造の工法です。

関連記事:SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説

 

中大規模木造に最適なSE構法の最新事例

中大規模木造に最適なSE構法の最新事例

SE構法における中大規模木造のご相談数も年々増えており、木造化・木質化の普及を感じております。

今回発刊した「木構造ガイドブック」に掲載されているSE構法の最新事例をいくつかご紹介します。

大阪市に建つ耐火建築物の幼稚園

上記の事例は、大阪市に建つ耐火建築物の幼稚園です。発注者の要望により、木造が選択されました。幼児が使う居室が2階にある幼稚園は「幼稚園設置基準」により耐火建築物であることが求められますが、SE構法の構造スペックにより大空間も実現しております。

関連記事:木造で幼稚園を計画するための関連法規まとめ

大阪市に建つ店舗、事務所

上記の事例は、大阪市に建つ店舗、事務所です。この建物ではBIMを活用しております。大手建設会社様との仕事で、NCNは「構造設計事務所兼構造材供給」という役割で協働させていただきました。平面斜辺の建築計画をSE構法で実現しております。

関連記事:耐震構法SE構法は斜辺やR壁の平面計画に対応可能

大分県中津市に建つ住宅型有料老人ホーム

上記の事例は、大分県中津市に建つ住宅型有料老人ホームです。福祉施設は個室が多いことが特徴ですが、SE構法の構造スペックを活かして耐力壁の位置を適切に配置し、将来の可変性をふまえた構造計画を実現しています。この建物は準耐火建築物であり、燃えしろ設計も実施しています。

関連記事:準耐火建築物であれば「燃え代設計」により木造の構造体を現しにできる

 

ウッドショックの誤解!構造材価格上昇も建設費全体では影響は限定的

ウッドショックの誤解!構造材価格上昇も建設費全体では影響は限定的

木材の需給が逼迫して、価格高騰、納期遅延等が発生する「第3次ウッドショック」が起こっています。世界的な建築需要の高まりによって木材価格が高騰しており、日本の住宅・建築業界は強い危機感を抱いています。調達も難しい局面を強いられています。

関連記事:【激震】ウッドショック!木材価格高騰の理由

構造材価格が上昇しても建設費全体で見れば構造材が占める割合は決して多くありません

注意点としては、仮に構造材価格が上昇しても建設費全体で見れば構造材が占める割合は決して多くありませんので、影響は限定的なことです。工事費が上がることは事実ですが「構造材価格が2倍=建設費が2倍」ということにはなりませんので、冷静に工事費を調整することが必要です。

関連記事:中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント

 

中大規模木造の選択の幅を広げる木構造デザイン

中大規模木造の選択の幅を広げる木構造デザイン

株式会社木構造デザインは、耐震構法SE構法を提供するNCNと、木構造CADで国内トップシェアのネットイーグル株式会社との合弁会社として設立されました。

木構造デザインは、中大規模木造専門の構造設計会社として、

・「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」

・「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」※

をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献します。(※CADデータはネットイーグル社製のみの対応となります)

中大規模⽊造に取組む設計事務所様、工務店様、建設会社様、プレカット⼯場様、⾦物等メーカー様など、どのようなポジションからでもご相談いただけます。

中規模木造を建築する際の設計・生産の課題として、構造設計者の不足、接合部の未規格化、材料の調達難、見積もり精度不足、プレカット工場での加工図作成不可、受注後の加工手戻り、製造工場の能力や品質レベルの不明確さ、施工の不得手などが挙げられます。

木構造デザインは、ニュートラルな立場で構法を限定しない中大規模木造の構造設計や生産設計を提供し、建築実務者にとって「使い勝手のよい木構造専門の構造設計事務所」を目指しております。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

まとめ

NCNでは、大規模木造に取り組む設計者・施工者のために「大規模木造オンラインセミナー」を開催しています。大規模木造に関するさまざまなテーマをオンライン形式で皆様にお届けするセミナーです。

興味があるテーマのセミナーを自由に選択していただき、受講することが可能です。毎回、テーマを変えて大規模木造に関する情報提供をさせていただきます。本セミナーは下記リンクより動画で視聴することが可能です。

動画の視聴はこちらです。

 

本セミナーには、設計事務所様や工務店様、建設会社様など、大規模木造に関心のある建築実務者の方に多数ご参加いただきました。これから大規模木造に取り組む建築実務者の皆様に対して、NCNから特にお伝えしたいことは下記です。

・大規模木造に取り組むことは、決して難しいことではない

・大規模木造の実務を合理的に進めるには、木造に詳しいパートナーを選ぶ必要がある

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、木構造デザインの木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。